一般次元の曲がった空間(Riemann多様体)の幾何学を、大きなユークリッド空間 の中の超曲面として出発点に据えて解説するノートです。
「曲がっている」とはどういうことか、接続・平行移動・曲率とは何を測っている量なのか──これらを、外の空間が見えている状態で一つずつ確かめながら組み立てていきます。そして最後に、組み上げた道具立てが外の空間を取り払っても生き残ることを示します。これが一般相対性理論で時空を扱うための土台になります。
直観的な理解を進められる構成
抽象的な多様体論から始めず、 内の超曲面として扱うことで、各量が「目に見える」形で導入されます。曲率テンソルも、まず第二基本形式(曲面の反り具合)と結びついた具体的な量として現れます。
計算を省略せずに詳しく書いた
Gaussの方程式、Codazzi–Mainardiの方程式、曲率の対称性、正規座標での計量の展開など、途中式を追える形で書いています。
各量に幾何学的な意味を与える
| 量 | 何を測っているか |
|---|---|
| 接続・平行移動 | 離れた点のベクトルを比べる規則 |
| Riemann曲率 | 閉路を一周したときのベクトルのずれ |
| 断面曲率 | 空間を2次元に切った断面のガウス曲率 |
| Ricciテンソル | 体積要素のユークリッドからのずれ |
| スカラー曲率 | 小さな球の体積のずれ |
前ノートとの接続
「幾何のお話2」で扱った 内の曲面の話が、そのまま一般次元へ拡張される様子を明示しています。ガウス曲率が断面曲率に、Theorema Egregium(驚異の定理)が一般の枠組みでどう位置づけられるかも扱います。
具体的に計算できる使い勝手の良い形を提示する
で定義される超曲面について、曲率を のヘッシアンから直接計算する公式を導き、 次元球面で実際に確かめます。
多変数の微積分と線形代数。テンソルや微分幾何の予備知識は仮定しません。一般相対性理論の数学的な背景を理解したい方、曲がった空間のイメージを掴みたい方を想定しています。
ノートについての質問や感想を書いてみましょう。