物理での応用を念頭において、微分幾何のトピックを簡単に取り上げたノートです。
微分形式の説明などを書いています。次に多様体論などの学習へ進むのに役立ってくれそうだと思います。
この『幾何のお話』ノートは、わたしが「座標系の取り方に依存しない物理の見方」をちゃんと理解したくて書き始めたものです。微分幾何やテンソルの話って、どうしても抽象的になりがちですが、できるだけ具体的に手を動かしながら、ベクトル場や微分形式、計量空間といった基本から、順を追って考えられるように構成しました。
はじめにベクトル場とその流れ(flow)について、座標系の取り方によらない表現としての微分形式を導入し、テンソルの取り扱いや外積・外微分などの操作を通じて、空間上の"変化"をどう捉えるかを丁寧に整理しています。計量を導入することで、内積や長さ、体積などの量が幾何学的にどう扱えるかも説明しています。
後半では、空間を時間と分けて扱う方法(例えば のような展開)や、dualテンソルの構成法など、物理とのつながりを意識した応用的な話題も入れています。座標の選び方に依らない記述の利点や、幾何的構造の対称性と保存則との関係に興味がある人には特におすすめです。
テンソルや微分形式に少しでも興味を持った人が、「なるほど、そういう意味だったのか」と思えるきっかけになれば嬉しいです。
など