場の量子論の学習をするうちに遭遇するスピノールやスピン群、ディラック作用素なんかに関するトピックになります。
基本的なクリフォード代数やスピン群およびその表現論の解説から始まり、最終的にディラック作用素まで解説を行っています。
それらの数学的な構造を理解する助けになるように難しい数学的な概念をあまり使わないで解説を行いました。
空間の回転群とスピン群との関係やローレンツ群とスピン群との関係など、物理学で現れるスピンの概念が幾何学の中でどのように自然に導入されうるのかを垣間見ることができます。
ベクトルの積に独特のルールを与える「クリフォード代数」。
これは、内積を持つ空間での"反交換関係"という性質を通して定義されます。
場の量子論でいうところのにあたるものです。
続いて、スピン群とその表現論を紹介し、スピノールがいかにして幾何学や物理に現れるのかを明らかにしています。
さらに、多様体上のスピン構造やディラック作用素の定義、そしてその自己共役性についても丁寧に解説しました。
このノートを読み終わるころには一般的な次元ミンコフスキー空間でのクリフォード代数の表現(場の量子論で登場する)の計算などができるようになっていると思います。
数学好きはもちろん、量子力学や一般相対論、あるいはさらにすすんだ場の量子論や弦理論、サイバーグ・ウィッテン理論などに興味がある人におすすめです。
抽象的な理論に隠れた美しさを、ぜひ一緒に味わってみませんか?
など