この『幾何のお話 2』ノートでは、主に曲線と曲面の幾何学について、わたし自身が学んだことを整理しながらまとめています。前作にあたる『幾何のお話』ではベクトル場や微分形式を扱いましたが、今回はもう少し具体的に、1次元の曲線や2次元の曲面の"形"に焦点を当てています。
最初は、平面上の曲線の基本的な考え方からスタートして、曲率や接ベクトル、円運動との関係などを紹介。
続いて、空間内の曲線へと進み、接ベクトル・法ベクトル・従法ベクトルの三本立てでフレーネ・セレの公式を導入します。さらに、曲面上の曲線に話題を広げて、測地線や法曲率、第一・第二基本形式、ガウス曲率と平均曲率の定義へとつながっていきます。
2次元の幾何学を総括的に学ぶことができるように構成しています。
最終的に曲面のガウス-ボネの定理の証明および境界のある曲面のガウス-ボネの定理の証明を行いました。
基本的な観点から出発して議論を進めており、直観的なイメージを持てるようにひとつひとつを丁寧に順を追って議論を進めました。
特に気を配ったのは、局所的な視点から出発して、それがどうやって大域的な幾何学的性質(たとえばガウス-ボネの定理)に結びついていくかを、できるだけ直感と計算の両方で理解できるようにすることです。最後には微分形式を使った幾何の記述や、外微分と接続、1-formの関係、そしてオイラー数に至るまで、幾何の奥行きある世界を少しでも感じてもらえるように工夫しました。
「曲率って結局どういう意味?」「測地線ってなにが特別なの?」と思ったことがある人に、ちょっとした発見を届けられたら嬉しいです。
基本的には出来るだけ直感的な説明を心がけますが、きちんと理解するには多少厳密なことを理解することも必要になると思いますので適度に厳密性を持たせた内容になっています。
またこれから微分幾何や微分トポロジーの分野、または一般相対性理論へ学習を進めたい方にはその前段階として、幾何学で現れる様々な幾何学的な概念が具体的にどのような意味を持ったり現れたりするのかを知ることができる良い材料になるのではないかと思います。