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はじめに
夏休みに入ったので、2学期にやるらしい三角関数のところを参考書で先に読んでいます。 加法定理という公式が出てきました。 最初に読んだときは、長いし符号がややこしいし、 何のためにあるのかよく分かりませんでした。 でも、あとのほうのページに \(\sin 15^\circ \) を求める例題がありました。 \(15^\circ \) の値なんて、教科書の表にも載っていないし、習ってもいません。 それが計算で出せるらしいのですが、どうやって出すのかは分かりませんでした。 自分でも出せるのか試してみたら、本当に出ました。 そのあといろいろ計算したので、やったことを書いておきます。 覚えた公式
参考書に書いてあった加法定理は、次の4つです。 \begin{align} \sin (\alpha + \beta ) &= \sin \alpha \cos \beta + \cos \alpha \sin \beta \\ \sin (\alpha - \beta ) &= \sin \alpha \cos \beta - \cos \alpha \sin \beta \\ \cos (\alpha + \beta ) &= \cos \alpha \cos \beta - \sin \alpha \sin \beta \\ \cos (\alpha - \beta ) &= \cos \alpha \cos \beta + \sin \alpha \sin \beta \end{align}
\(\cos \) のほうは左辺と右辺で符号が入れかわるので注意、と書いてありました。 まだ何回か間違えています。 証明も載っていましたが、まだ読めていません。第7節に書きます。 それにしても、角を足しているだけなのに、 右辺には \(\sin \) と \(\cos \) の掛け算が出てきます。 \(\sin (\alpha +\beta ) = \sin \alpha + \sin \beta \) にはならないというのは、 言われてみればそうなのですが、 ではなぜ掛け算になるのかは分かりませんでした。
\(15^\circ \) を出してみました
\(15^\circ \) そのものは知りませんが、\(45^\circ \) と \(30^\circ \) は知っています。 そして \begin{align} 15^\circ = 45^\circ - 30^\circ \end{align}
です。引き算の形なので、(2) が使えます。
\begin{align} \sin 15^\circ &= \sin (45^\circ - 30^\circ ) \\ &= \sin 45^\circ \cos 30^\circ - \cos 45^\circ \sin 30^\circ \quad (\text {加法定理 (2) より}) \\ &= \frac {\sqrt {2}}{2}\cdot \frac {\sqrt {3}}{2} - \frac {\sqrt {2}}{2}\cdot \frac {1}{2} \\ &= \frac {\sqrt {6}}{4} - \frac {\sqrt {2}}{4} \\ &= \frac {\sqrt {6} - \sqrt {2}}{4} \end{align}
出ました。 知っている値だけを入れて計算しただけなのに、 知らなかった角の値が出てきたのが不思議でした。 \(\cos \) のほうも同じように、(4) を使って
\begin{align} \cos 15^\circ &= \cos 45^\circ \cos 30^\circ + \sin 45^\circ \sin 30^\circ \\ &= \frac {\sqrt {6}}{4} + \frac {\sqrt {2}}{4} \\ &= \frac {\sqrt {6} + \sqrt {2}}{4} \end{align}
となりました。
電卓で確かめました
本当に合っているのか不安だったので、電卓で確かめました。
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計算して出た式の値 |
電卓の \(\sin \)、\(\cos \)
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\(\sin 15^\circ \) |
\(0.25881\cdots \) |
\(0.25881\cdots \) |
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\(\cos 15^\circ \) |
\(0.96592\cdots \) |
\(0.96592\cdots \) |
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合っていました。 自分で組み立てた式の値と、電卓が知っている値が同じというのが、 当たり前かもしれませんが、けっこう嬉しかったです。 同じやり方で \(75^\circ = 45^\circ + 30^\circ \) もやってみたら、 \(\sin 75^\circ = \dfrac {\sqrt {6}+\sqrt {2}}{4}\) になりました。 \(\cos 15^\circ \) と同じ値です。 これは \(\sin \) と \(\cos \) が \(90^\circ \) で入れかわるからだと思うのですが、 そういうことが計算のあとから分かるのが面白いと思いました。
2倍角と半角
参考書を先に進めると、2倍角の公式というのが出てきました。 これは加法定理の \(\beta \) のところを \(\alpha \) にしただけのようです。(1) で \(\beta = \alpha \) とすると \begin{align} \sin 2\alpha &= \sin (\alpha + \alpha ) \\ &= \sin \alpha \cos \alpha + \cos \alpha \sin \alpha \\ &= 2\sin \alpha \cos \alpha \end{align}
となり、(3) で \(\beta = \alpha \) とすると
\begin{align} \cos 2\alpha &= \cos \alpha \cos \alpha - \sin \alpha \sin \alpha \\ &= \cos ^2\alpha - \sin ^2\alpha \end{align}
となります。 置きかえるだけで新しい公式になってしまいました。 参考書には別の公式として太字で書いてあったので、 もっと違うものだと思っていました。 さらに \(\sin ^2\alpha + \cos ^2\alpha = 1\) を使うと
\begin{align} \cos 2\alpha &= 2\cos ^2\alpha - 1 \end{align}
とも書けます。これを \(\cos ^2\alpha \) について解くと
\begin{align} \cos ^2\alpha &= \frac {1 + \cos 2\alpha }{2} \end{align}
となって、\(2\alpha = \theta \) とおけば
\begin{align} \cos ^2\frac {\theta }{2} = \frac {1 + \cos \theta }{2} \end{align}
です。これが半角の公式でした。
半角でも \(15^\circ \) が出ました
半角の公式を見て、あることに気づきました。 \(15^\circ \) は \(45^\circ - 30^\circ \) ですが、\(30^\circ \) の半分でもあります。 ということは、さっきとは別のやり方でも \(15^\circ \) が出せるはずです。 (20) に \(\theta = 30^\circ \) を入れてみました。 \begin{align} \cos ^2 15^\circ &= \frac {1 + \cos 30^\circ }{2} \\ &= \frac {1 + \frac {\sqrt {3}}{2}}{2} \\ &= \frac {2 + \sqrt {3}}{4} \end{align}
なので
\begin{align} \cos 15^\circ = \frac {\sqrt {2 + \sqrt {3}}}{2} \end{align}
となりました。 ここで手が止まりました。 第3節では \(\cos 15^\circ = \dfrac {\sqrt {6}+\sqrt {2}}{4}\) だったのに、 今度は \(\dfrac {\sqrt {2+\sqrt {3}}}{2}\) です。全然違う形です。 どちらかが間違っていると思って、電卓で両方計算しました。
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| 式 |
値 |
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\(\dfrac {\sqrt {6}+\sqrt {2}}{4}\) |
\(0.96592\cdots \) |
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\(\dfrac {\sqrt {2+\sqrt {3}}}{2}\) |
\(0.96592\cdots \) |
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同じでした。 念のため、\(\dfrac {\sqrt {6}+\sqrt {2}}{4}\) を2乗してみたら
\begin{align} \left (\frac {\sqrt {6}+\sqrt {2}}{4}\right )^2 &= \frac {6 + 2\sqrt {12} + 2}{16} \\ &= \frac {8 + 4\sqrt {3}}{16} \\ &= \frac {2 + \sqrt {3}}{4} \end{align}
となって、(22) と一致しました。 見た目が全然違う2つの式が同じ数だというのが、 計算して確かめても、まだ少し変な感じがします。
\(7.5^\circ \) もやってみました
半角の公式が \(15^\circ \) に使えたなら、 その \(15^\circ \) にもう一度使えば \(7.5^\circ \) が出るのではないかと思いました。 (20) に \(\theta = 15^\circ \) を入れます。 \begin{align} \cos ^2 7.5^\circ &= \frac {1 + \cos 15^\circ }{2} \\ &= \frac {1 + \frac {\sqrt {6}+\sqrt {2}}{4}}{2} \\ &= \frac {4 + \sqrt {6} + \sqrt {2}}{8} \end{align}
なので
\begin{align} \cos 7.5^\circ = \frac {\sqrt {4 + \sqrt {6} + \sqrt {2}}}{2\sqrt {2}} \end{align}
となりました。 \(\sin \) のほうも同じようにすると
\begin{align} \sin 7.5^\circ = \frac {\sqrt {4 - \sqrt {6} - \sqrt {2}}}{2\sqrt {2}} \end{align}
です。 かなり汚い式になったので、これは間違えたと思いました。 でも電卓で計算すると
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式の値 |
電卓の値 |
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\(\sin 7.5^\circ \) |
\(0.13052\cdots \) |
\(0.13052\cdots \) |
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\(\cos 7.5^\circ \) |
\(0.99144\cdots \) |
\(0.99144\cdots \) |
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合っていました。 ここまでやって気づいたのですが、 このやり方はいくらでも続けられます。 \(7.5^\circ \) の半分の \(3.75^\circ \) も、そのまた半分の \(1.875^\circ \) も、 同じように出せるはずです。ルートがどんどん重なって式は汚くなりますが、 止まる理由がありません。 三角関数の表というものが本の後ろに載っていて、 これは誰かが測ったものだと思っていました。 そうではなくて、計算で作れるものなのかもしれない、と思いました。 (実際にどうやって作られたのかは知りません。)
分からなかったこと
加法定理の証明
加法定理そのものの証明は、参考書に載っていましたが、まだ読めていません。 単位円の上に点を2つとって、その間の長さを2通りに計算する、という話らしいです。 図と式を何度か目で追いましたが、 なぜその2点をとるのか、なぜ長さを計算しようと思うのかが分からず、 途中で何をやっているのか見失いました。 とりあえず今回は、加法定理は成り立つものとして使いました。 2学期に授業でやると思うので、そのときにもう一度読みます。 \(10^\circ \) が出せません
\(15^\circ \) が出せたので、他の角もいろいろ試してみました。 \(45^\circ \) と \(30^\circ \) を足したり引いたり、半分にしたりしていくと、 \(15^\circ \)、\(75^\circ \)、\(7.5^\circ \)、\(22.5^\circ \)、\(3.75^\circ \) などは出せました。 ところが \(10^\circ \) が、どうやっても出せませんでした。 \(10^\circ \) は \(30^\circ \) の3分の1なので、 半分にする公式はあっても3分の1にする公式がないから、 という気はしています。 でも、\(30^\circ \) を3等分した角なんてふつうに存在するので、 値がないわけではないはずです。出せないのは自分のやり方が足りないだけなのか、 そもそも出せないものなのか、そこが分かりませんでした。 おわりに
三角関数は公式を覚えて当てはめるだけのものだと思っていたのですが、 知らない角の値が自分の手から出てくるのが面白かったです。 特に \(7.5^\circ \) のあたりは、式が汚すぎて間違えたと思ったのに合っていたので、 これは意外でした。 先取りで読んでいるだけなので、書き方や言葉づかいが変なところがあると思います。 自分用のまとめですが、置いておきます。 間違っているところがあれば教えてください。