学生のころに連分数というものを知ってとても感動しました。
純粋に数学的な興味のために学生のときにプチ研究したノートの一部をまとめたものです。
面白い結果もありそうですがあまり応用例を知りません。
なじみの数式(とかとか)などが連分数表示されたのを見るとオッ!すげー!と思ったりしました。
最初に紹介するのは、有名な「黄金比」の無限連分数表現。式の中に延々と同じ形が繰り返されている構造に、最初から数学的な美しさを感じてもらえると思います。
内容としては、連分数の定義やその収束の仕組みからスタートし、漸化式を使って有限連分数を効率よく求める方法、収束判定のための解析的な工夫、さらには連分数の応用として交代級数の変換法などにも触れています。や、といったおなじみの定数が、意外な形で連分数として表される様子を見ると、「あ、こんなところでも役に立つんだ」と思えたりします。
特に面白いのは、分母と分子の漸化式や、フィボナッチ数列とのつながり、さらには数論的な性質(分子と分母が互いに素であること)まで自然と現れてくる点。高校数学の知識があれば読み始められる内容ですが、少しずつ本格的な数学の"手触り"に触れていける構成になっています。
計算が好きな人や、美しい数式が好きな人にはぜひ読んでほしい一冊です。数学って実は、計算のテクニック以上に「構造の発見」が面白いんだ、ということを感じてもらえたら嬉しいです。
よかったらご覧下さい。