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量子力学

量子力学から状態方程式を導出してみる

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# 小作品
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概要

このノートでは、量子力学のごく基本的な系――井戸型ポテンシャルに閉じ込められた1粒子系――を出発点として、そこから気体の状態方程式pV=NkTpV=NkTpV=NkTを導けないかという試みをしています。もともとの動機は、マクロな熱力学の法則がどれほどミクロな力学から現れるのか?という疑問で、分子運動論的な説明よりもさらに「量子的な側面から」状態方程式が導けるのではと考えたことがきっかけです。

まず仮定として、気体中の分子はそれぞれ互いに独立した「占有領域」を持っており、その領域は他の分子によって壁のように囲まれている、というモデルを採用しました。この"分子一つが閉じ込められている箱"を幅aaaの井戸型ポテンシャルとみなし、その中のエネルギー準位がE=Aa2 (A=π2n2ℏ22m)E=\frac{A}{a^2}\ (A=\frac{\pi^2 n^2\hbar^2}{2m})E=a2A​ (A=2mπ2n2ℏ2​)で与えられることを使います。

次に、その井戸の幅aaaを微小に変化させたときのエネルギーの変化率を「井戸の壁に働く力」と解釈し、それを3次元に拡張。
系に存在する粒子数をNNNとして体積 V=a3NV=a^3NV=a3N、密度ρ=N/V\rho=N/Vρ=N/Vと結びつけ、圧力p=F/a2p=F/a^2p=F/a2を定義することで、以下の関係式を得ます:

p=23Eρp=\frac{2}{3}E\rhop=32​Eρ

ここでエネルギーEEEを分子運動論で知られているE=32kTE=\frac{3}{2}kTE=23​kTに置き換えることで、自然に最終的によく知られた気体の状態方程式

pV=NkTpV=NkTpV=NkT

が導出されます。この導出の面白いところは、分子の波動性を素直に取り入れた結果、古典的な法則が"平均的な量子準位"から浮かび上がってくるところにあります。

また、実在の気体(22L に 1mol = 6×10236\times 10^{23}6×1023個)を用いて、占有体積から井戸幅aaaを求め、実際の定数を代入してみると、粒子の量子数はn∼90n\sim 90n∼90程度という、現実感のある値になるのも面白い副産物です。

あくまで簡単なモデルですが、量子力学と熱力学がどうつながるのかを具体的な数式でたどってみたい人には、発見のある内容だと思います。感覚的だった状態方程式を、量子的な視点で少し違った角度から眺めてみたい方におすすめです。

2ページほどのノートになります。

2025/3/20 少し議論を修正しました。

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このサイトの管理人のTKGです。
いくつか昔頑張って作った自作のテキストPDFをサンプルとして投稿しています。
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ノートは結構昔に書いていて文章をやや硬くかいていますが、ちょっとテキストを意識しすぎていました。あしからずです。

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