場の量子論のお話になります。まず最初に場の古典論の復習を少しだけ触れています。それから場の量子論の話に移行する流れで書いています。
このノートを読みこなすには複素解析やゲージ理論あたりの知識が必要かもです。
また物理に関しては、解析力学、電磁気学、量子力学などは理解していると理解がしやすいと思います。
この『場の量子論』のノートは、量子力学と相対論をつなぐ「場の量子論(QFT)」の基本とその背後にある数学的構造を、地に足つけて解説するノートです。冒頭では「場って何?」という素朴な疑問からスタートし、スカラー場やフェルミオン、ゲージ場の理論を、ラグランジアンや作用原理に基づいて丁寧に構築。汎関数微分や経路積分、繰り込み、対称性とその破れ、Ward-高橋の関係式、アノマリーなど、専門的なトピックにも数式ベースでじっくり踏み込みます。
現象論的な事象にはあまり触れていませんが、場の量子論の数学的な基礎付けから出発して一般的な場の量子論の教科書で扱うような基本的な場の量子論のトピックはほとんど説明ができたと思います。
理論の繰り込みやQEDおよび非可換ゲージ理論の繰り込みを1ループまで計算しています。
具体的に計算を1行1行追っていくことができるように丁寧に式展開を行っていますので、繰り込みの計算手法を習得するのにもとても適した教材になっているのではないかと思います。
その他、アノマリー、対称性に関連する事項、 標準理論(ちょっと古い)辺りまで最低限くらいのものは説明してます。
など
教科書ではさらっと流されがちな部分も、数学的背景から照らし直す試みを行っています。
数理物理や理論物理に本気で挑みたい人、物理と数学のつながりを探究したい人にとっては、読み応えのある"道しるべ"になるようなものになっているのではないかと思います。